−オルロッグ人編(33話〜36話)−
アミンサを追いかけて、彼女が入っていった基地の入り口の扉に向って「待ちなさい!」と乱暴にノックするイストリックス教授。他の皆もまだ外にいるのにアミンサってば基地の外の極寒の地に全員締め出して凍死させる気かよ!
夜、謎のオルガンの音が極寒のデルタ星の地で鳴り響くシーン。ここでオルガンの音としてかかる曲は元々はべガ星編でライララ村にてシビップが奏でたオルガン砲で使われた曲だけど、やっぱこの曲といえばこの話という気がするなあ。ミステリアスなオルガンの音色が、この話の導入部のオカルトっぽい雰囲気に良くあってる気がする。
この辺も、オルロッグ人の遺跡内部でオルガンの音色でオルロッグ人の亡霊が出現したり(侵入者を威嚇する為のものなのか)、遺跡から突如ワープした異世界で世界を支配する神の存在があったりと、おどろおどろしい展開。亡霊なんかストーリーには全然関係しないし、オカルトっぽい雰囲気を出すために出したのか。
そしてその極めつけなのが神の目。この世界の中ではその辺の岩壁だろうと森の木の幹からだろうと、どこからでも一つ目が出現し、トッピー達を監視する。この目の設定もインパクト十分で、当時はかなりハマったなあ。昔は眼科の目の看板で「あの目でワシらを監視しとるんじゃ!」って、よくやった(笑)。
サジタリウスに出てくる学者って、なんでこう無茶な人が多いのか。アン教授然り、トンシー博士然り(笑
まあともかく「目」に驚かされた後、オルロッグ人の収容施設内でのアミンサとオルロッグ人の子供とのつかの間のふれあいで和んだと思ったら、今度はトッピー達の目の前で始まるオルロッグ人大量虐殺と、ジラフと教授の目の前で繰り広げられる神によるオルロッグ人同士の殺戮映像。このあたりの引っくり返し方がうまい。
特に神によって見せられる殺戮の映像はもうオルロッグ人がまさに血袋のごとく流血して死にまくり。今考えたら、よくもまぁ一般に子供向けといわれてたアニメでここまでやったもんだ。まあオルロッグ人は人間じゃないから出来たんでしょうが。今じゃ地上波じゃ放送できないんだろうなあ…。
ちなみにDVD版では海外放送仕様って事でこのシーンは一部カットされ、血の描写も一部省かれてます。無念。
このままべガ星編のラムーのようなヤツが出てくるのかと思いきや、神の正体はコンピュータ。ここまではどっちかッつーとオカルトっぽい感じだったのに一挙にSF展開に。
35話のラストのコンピュータの初登場シーンは作画にも結構力入っててかなりお気に入りのシーン。次の回では殆ど別物に作画変わっちゃうけどサ;
あの当時はコレを見てドキワクして次週が待ち切れなかったなぁ。
サジタリウス号でデルタ星を離れる一行。教授とアミンサはいつかオルロッグ人が新しい平和な世の中を築き上げるであろう事を信じるのだった。
そしてコンピュータとの直接対話を経て、操られたオルロッグ人に襲われて逃げ惑うトッピー達。ここで襲ってくるオルロッグ人の子供達を銃で撃つかどうかでまた葛藤する一行。俺だったら見た目触手の化けもんだし、殺されるぐらいなら相手が子供でも撃つと思うがw
その後のシビップの歌で、人間性を取り戻したオルロッグ人がコンピュータの呪縛から逃れてトッピー達と和解する展開が予定調和すぎな気もするけど、演出がいいのか割と無理なく見れる感じ。ま、たしか強引な気もするけどスイード編のラストよりはまだマシかと。
この話の脚本の藤本信行さんはスイード編の時も、宇宙カコ編の時も、小説版の時も、神秘的な力で一挙にハッピーエンドになるパターンが多い気がするなあどうも。遺跡と共に消滅するコンピュータのシーン、爆発飛散するコンピュータから噴出した光の柱が天を貫いていく描写を見るにつけ、当時はコンピュータはどっかほかの星に脱出しただけでまた再登場するんでは…等と思ったもんでした。
それにしてもコンピュータの消滅シーンや姿勢制御バーニアを噴かせながらデルタ星を離れるサジタリウス号のシーンがやけにかっこいい作画だと思ったら、何とスタッフロールに板野サーカスで有名な板野一郎やアートランドの名前が…。途中止め絵とかあったし、作画スケジュールがやばいことになって助っ人したのかなあ。